LPガス読本 LPガスはクリーンエネルギー LPガスとスマートハウス 様々な分野で利用されるLPガス 世界に広がるLPG車 災害に強いLPガス 安全・安心LPガス LPガスの安定供給 エネルギー政策とLPガスの未来 資料編
第三章 様々な分野で利用されるLPガス

業務用分野におけるLPガス

 LPガスは、飲食店や旅館、病院や学校などの業務用施設において重要なエネルギー源として幅広く利用されており、その需要量は年間約200万トンにのぼっています。特に最近ではガスエンジンヒートポンプエアコン(GHP)や、業務用厨房内の温度上昇を抑えるよう改善された厨房機器「涼厨」などの省エネ機器の普及が進んでいます。

ガスエンジンヒートポンプ(GHP)の特徴

 ガスエンジンヒートポンプ(GHP)は、コンプレッサーをガスエンジンで駆動し、ヒートポンプによって冷暖房を行う空調システムです。電気のエアコン(EHP)と異なりガスエンジンによりポンプを駆動するため、消費電力をEHPの約1/10にまで削減することができます。また発電機を内蔵しているタイプなら、消費電力を1/100以下(およそ100W以下)にまで削減することができ、受変電設備費用の削減にもつながります。GHPは節電や電力のピークカット対策、また省CO2対策として有効です。
 最近では、内蔵発電機により停電時の自立最近では、内蔵発電機により停電時の自立運転と外部への電力供給が可能な機種や、節電と省エネ性を両立する超高効率GHP「GHP XAIR(エグゼア)」の次世代機として、年間運転効率をさらに向上させた「GHP XAIR II」も市販されており、災害対策としても有効です。

※通年エネルギー消費効率(Annual Performance Factor:APF):
年間を通じて冷暖房を行うために必要な能力の総和を、各冷暖房機器が消費するエネルギー消費量(期間エネルギー消費量)で除した性能評価指数


電源自立型空調「GHPハイパワープラス」 電源自立型空調GHP「EXCEL+」
電源自立型
「ハイパワープラス」
(ヤンマーエネルギーシステム(株))
電源自立型空調
GHP「EXCEL+」
(パナソニック産機システムズ(株))

■GHP(エグゼア)とEHP の比較
GHP(エグゼア)とEHP の比較
(出典:日本LPガス協会試算)

設置事例

「埼玉県こども動物自然公園」「コアラ舎」ハイブリッド空調システムとガス式床暖房設備
「埼玉県こども動物自然公園」様(埼玉県東松山市)に設置されたGHP。「コアラ舎」の改修において、ガス式(GHP)と電気式(EHP)の良さを合わせたハイブリッド空調システムとガス式床暖房設備を導入。
「駅前交流プラザ・よろーな」 「駅前交流プラザ・よろーな」
「駅前交流プラザ・よろーな」様(北海道名寄市)に設置されたGHP。「エネルギーのベストミックスの重要性」「LPガスは分散型エネルギーで災害に強い」などの理由から公共施設への導入が進んでいる。
「湘南とびうお体操クラブ」
「湘南とびうお体操クラブ」(神奈川県秦野市)に採用されたGHP。震災による計画停電の経験から停電時にも電源自立型GHPエグゼアを使用。
(写真提供:(株)石油化学新聞社)

改正省エネ法におけるGHPの位置付け

 平成25年に改正された「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」(省エネ法)では、東日本大震災における電力需給ひっ迫の教訓を踏まえ、国全体の夏季・冬季の昼間(電気需要平準化時間帯)における電気需要を低減するため、新たに「電気の需要の平準化」が盛り込まれました。この法律では「電気需要平準化に資する措置」として「電気の使用から燃料又は熱の使用への転換」が挙げられており、その具体策としてGHPやコージェネレーション等の導入が謳われています。
 さらに同法では、GHP等の導入を実施した事業者に対する優遇措置として、電気需要平準化時間帯の電気使用量を1.3倍して算出する「電気需要平準化評価原単位」が新たに設定され、同時間帯における電力使用量削減の取り組みが 正当に評価されるような仕組みになっています。
 このように、GHPは省エネ法対応の即戦力としても、非常に重要な役割を果たしています。
■GHP節電効果
GHP節電効果
(出典:資源エネルギー庁「省エネ法の改正について」平成26年4月1日を基に作成)

ガスエンジンコージェネレーション

 ガスエンジンコージェネレーションは、ガスエンジンによる発電とその排熱を利用した給湯を同時に行うシステムです。電気と給湯を同時に効率よく利用するため、総合効率約80~85%と高く省エネに役立つほか、系統電力消費の低減にもつながります。また停電時に発電・熱供給(給湯)が可能な停電対応機も市販されており、災害時のバックアップ電源・給湯器としても活用することができます。
 コージェネレーションには、5kW~30kW程度の「マイクロコージェネレーション」と呼ばれる比較的小さい出力のものと、300kW~数万kW以上の出力をもつ大容量のものとがあり、前者は飲食店やホテル、アミューズメント施設向けなどの業務用として、後者は工場向けなどの産業用として広く利用されています。

■コージェネレーションの種類
コージェネレーションの種類

■コージェネレーションの特長
 LPガスを需要地まで運んでその場で発電するため、系統電力に比べて送電ロスや放熱ロスがありません。
コージェネレーションの特長

■通常時と停電時の運転イメージ
通常時と停電時の運転イメージ

業務用厨房機器「涼厨」

 業務用厨房機器「涼厨」は、厨房内の温度上昇の原因であった排熱の拡散と輻射熱を低減することにより「涼しい厨房」を実現した機器です。集中排気により排気熱の厨房内への拡散を防ぎ、空気断熱によって機器表面からの輻射熱を大幅に削減することにより、従来のガス厨房では30℃を超えることもある室温を常に25℃以下に保つことができます。それによって快適性の向上、空調負荷の低減によるエネルギーコストの低減など、様々なメリットが生まれます。
■涼厨対応機器(一例)
涼厨対応機器(一例)
■涼厨の仕組み
涼厨の仕組み

その他の業務用用途

 LPガスはご家庭での利用のほかにも、様々な用途に利用されています。これらはいずれも「持ち運びが容易」「熱量が高い」「排気がクリーン」などのLPガスの特長を活かしたもので、現在も多種多様な機器が開発されており、その可能性はさらに広がっています。
炬火
  炬火

熱気球の内部 ガス灯 遠赤外線暖房機 屋外用ガスストーブ「パラソルヒーター」
熱気球の内部 ガス灯 遠赤外線暖房機 屋外用ガスストーブ
「パラソルヒーター」

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